シラバス参照

授業科目名 哲学・倫理学A 
授業科目名(英字) Philosophy A 
必修・選択
選択 
開講セメスター
学部1・3・5・7 
ナンバリングコード PHI-1L-101 
単位数
担当教員

鈴木 祐丞

副担当教員
実務経験のある教員等による授業科目に該当



授業の目標
人間はときに、心的諸概念(「痛み」「思考」「意図」など)について、それらは何を意味するのかという(哲学的)問いを発し、対応する心の諸状態を想定することで、答えを与えようとする。そして、そのようにして実体的に形成される「心」のイメージにとらわれ、そのイメージのもとにさまざまな現象をゆがめて見てしまうようになる。こうした状態を、ウィトゲンシュタインは『哲学探究』で一種の病気とみなし、虚心坦懐に言語のあり方を見つめなおすことで、そこから治療されようとした。
この授業では、『哲学探究』のうち、心的諸概念を主題とする議論の一部を講読する。ウィトゲンシュタインの後期哲学を理解し、同様の病気についての自覚とその治療を目指すとともに、言語について、心について、哲学という営みについて、ひいては人間という存在について、理解を深める。 
到達目標
・講義内容に関わるさまざまな思想を説明できる。
・講義内容について自分自身の考えを論述できる。 
身につく能力  
授業の概要
まずウィトゲンシュタインの後期哲学『哲学探究』がどのようなものか概観する(Part1)。その上で『哲学探究』の第9章(243-315節)を精読し、心的諸概念をめぐる議論を理解する(Part2)。最後に前期哲学『論理哲学論考』から後期哲学への哲学的変遷とその背後にあった彼の生き方の変化を並行的に理解し、後期哲学の意義を立体的に捉える(Part3)。
なお、受講生には三回に一度程度、授業を通じて考えたり疑問に思ったことなどを、リアクションペーパーに記入してもらう予定である。 
授業の計画
<Part 1: 導入>
第1回 授業についての説明/哲学とはどのような営みか
第2回 LWと『探究』の哲学概観①:「読む」をめぐる考察の例(第6章)
第3回 LWと『探究』の哲学概観②:『探究』の哲学的精神と諸概念――言語ゲーム、家族的類似性、自然誌、生活形式、説明せず記述する(第1章)/RP記入

<Part 2:『探究』第9章>
第4回 RPへのコメント/『探究』第9章読解①――他我問題、夏目漱石
第5回 『探究』第9章読解②――「私的言語」批判(1)
第6回 『探究』第9章読解③――「私的言語」批判(2)/RP記入
第7回 RPへのコメント/『探究』第9章読解④――「感覚の私秘性」と「わかる・知る」の日常的用法
第8回 『探究』第9章読解⑤――言語ゲームとしての「ふり」「嘘」
第9回 『探究』第9章読解⑥――数列のパラドックス、半透明な他者の心/RP記入

<Part 3:『探究』の哲学を支えるLWの生>
第10回 RPへのコメント/『探究』の哲学論――『探究』第4章:理想から現実へ
第11回 理想――『論考』の哲学と、背景としてのトルストイ的宗教性
第12回 理想から現実へ①――キェルケゴールとの出会い/RP記入
第13回 RPへのコメント/理想から現実へ②――『哲学宗教日記』:不完全な自分に向き合う
第14回 理想から現実へ③――不完全な現実の自分と和解した人間の哲学
第15回 まとめ/RP記入 
授業時間外学修の指示
・授業で用いる資料は事前に読んでおくこと。
・授業の内容について、自分であらためて考えてみること。 
成績評価の方法
・平常点(受講状況など) 25%
・リアクションペーパーの内容 75% 
テキスト・参考書等
・テキスト:レジュメを配布する。
・参考書:
 ・ウィトゲンシュタイン『哲学探究』、鬼界彰夫訳、講談社、2020年
 ・ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』、鬼界彰夫訳、講談社、2005年(2024年に学術文庫より再版)
 ・鈴木祐丞「ウィトゲンシュタインの「宗教的観点」――『論考』とトルストイ、『探究』とキェルケゴール」、『現代思想 総特集 ウィトゲンシュタイン』、2021年、pp. 150-164 
履修上の留意点
【manabaの利用法】
授業で使用する資料の掲載、レポート提出等 
資料
備考
特になし 


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